かてもすの日記

ゲームや旅行の趣味ブログ

MENU

ヘウレーカ感想 クラウディアの表情を考察

 

 

ヘウレーカ読みました!

寄生獣・ヒストリエと岩明先生の漫画が面白すぎてヘウレーカも買いましたが、これも素晴らしい出来の良さです。

なんで2000年以上前の出来事をこうも面白く描けるんでしょうかね?(恍惚)

 

ダラダラと感想書くとちゃんと伝えたいことが伝わらなくなるので、1点のみ焦点当てて考察します。

 

その1点とは、224~229ページのクラウディアの表情についてです。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

クラウディアがダミッポスから家族の無事(=本当は嘘)を聞かされた時、なぜ急に悲しそうな顔になったか。

 

それは

「クラウディアが治療を受けている間に、家族の安否を誰か(≒軍医)に聞いたから」

だと筆者は考えます。

 

225ページにて、クラウディアがダミッポスにレオンティニの件を聞いた時点で、既にクラウディアは家族の死を知っていたのではないかと思うのです。

 

理由はまずクラウディアの性格。クラウディアが非常に家族思いな性格であることが度々描写されています。

舟でシラクサを脱出してレオンティニに向かおうとしたことはもちろん、自身もローマ人であるのにもかかわらずエピキュデス将軍にローマ人の安否を聞いたことなど、危険を顧みずに行動しています。

もちろん自分以外の家族が拘束されて心配にならない人はいないと思いますが、それでも居ても立っても居られずに危険な行動に出れるのはクラウディアの個性でしょう。

 

また舟でシラクサを出ようと決意した際、ダミッポスが同行すると言い出す前に、手負いの執事と2人で脱出しようと画策していました(207ページ)。かなり無謀な策だと思うのですが、それでも家族の安否を確かめたいがための彼女の決意なのではないでしょうか。あるいはエピキュデス将軍の捨て台詞を真に受け、家族の死を半ば受け入れて自分も捨て身の覚悟でいたのかもしれません。

 

そんなクラウディアなので、治療の前中後の意識がある時点で軍医かローマ軍の人にレオンティニの件を聞いてると思うんです。

 

じゃあだとしたらなぜ、225ページでダミッポスにレオンティニの件を聞いたのでしょうか。真実を知っているならば聞く必要がないのではと思います。

この理由は………自らの死を悟ったクラウディアが最期に彼氏であるダミッポスを試したかったのではないかと考えます。当然ダミッポスが家族は生きているという嘘を教えたのは、クラウディアを元気づけるためです。たとえ嘘でも重症のクラウディアに生気を失うような事実を言えないのが男です。

(*ここの理由はもーちょい考えますすいません。)

 

 

そして229ページの3コマ目、左から順に"軍医"・"尋問に立ちあった人"・"尋問をした人"の3人が描写されています。

この真ん中の"尋問に立ちあった人"が咳払いのように顔の前に拳を持ってきているのが非常に気になります。気まずい空気という描写なのですが、なにかやってしまったという表情にも見えます。軍医の人が悲しそうにこちらを見ているのに対して他の2人は冷や汗をかいているのも、やはりなにかやってしまったなというような顔です。

描写はありませんが、尋問室と治療室が近くて会話が聞こえた可能性も考えられます。225ページで「レオンティニのこと聞いたんでしょ?」とクラウディアが聞いた根拠として考えられます。

 

 

他の説としては、224ページの時点でクラウディアの口がへの字になっているところ。何かを悟ったような表情に見えます。軍医が助からないことを別室でダミッポスに告げていますが、クラウディア自身も助からないことを自ら悟ったのかもしれません。

 

またもう一説として、クラウディアが家族の無事を信じた説が考えられます。226~227ページで家族の無事を聞いたのに一切嬉しそうな表情を見せなかったのは、クラウディア自らが自身の死を悟ったからだと考えることができます(=家族は生きていたのに自分はもう死ぬ)。

 

 

考察として甘い部分は多々あるのでそこはご了承ください。

正解がわかった方は考察を是非コメントにてお聞かせください。

 

ーーーーーーーーーー

 

岩明先生の作品は表情だけから色んな情報が読み取れるので、本当に読んでて楽しいです。

 

そして、岩明先生は頭脳で問題解決する主人公が本当に好きですね。オデュッセウスが大好きなんでしょう。

読者もまた、自分の頭を使うことが要求されます。ヒストリエもヘウレーカもざっと読んだだけでは面白さがわからないように描かれています。 

これだけ面白い作品なのにリアル社会であまり知名度がないのは、そういう部分が万人には通じないからだと思います。筆者は楽しめる側の人間で本当に本当に良かった…!!

 

 

作画は担当していませんが、レイリも是非読みたいです!