こんにちは、かてもすです。
お越しいただきありがとうございます。
2018年10月11日に、
阪神タイガースの監督・金本知憲氏が辞任しました。
ここまで野球の記事はメジャーセカンドのことをちょこっと書いたくらいでしたが、筆者はプロ野球はずっと好きで阪神を応援していました。2010年から阪神を応援していますが今年は筆者が応援し始めてから初の最下位と中々記憶に残るものになりそうです。
金本監督の辞任は賛否両論だと思いますが、来年以降の数年の成績で金本監督が生んだもの・生めなかったものが何かがわかると思います。いずれにせよ現役時代から阪神を引っ張った存在としてひとまずはお疲れさまと言いたいです。
この記事では金本政権及び筆者が阪神を見始めてから思ったことを色々書いていきたいと思います。
当然筆者(素人)個人の考えですのでこれについてどう受け止めるかは読み手の自由です。言っていることが若干食い違う部分もあるかもしれませんがどうか多目に見てやってください。
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まず、今季最下位ということで何がマズかったか原因を考えていきます。
・ロサリオ以外の外国人野手を開幕前になぜ獲らなかったのか。
まず今季沢山見たロサリオの批判ですが、半分正解で半分不正解な気がします。
3億4000万といわれる金額を出すほどロサリオへの期待は確かなものであり、ハズレだったのは結果論でしかないと思います。
「投資した金額=活躍する保証」では全くないです。
韓国リーグはあのロマックでも活躍できるほど打高であることはある程度知られており、そこで打てたからと言ってNPBで即通用する保証はどこにもありません。ロサリオ1人が打てなくてそれで最下位になったというのはおかしいと思います。かと言ってもう少しチャンスで打ってほしかった・せめて守備は頑張ってほしかったという声も共感できます。
ただ、筆者が思うのはなぜロサリオに大金を出せるのに他の外国人野手は取らなかったのかという点です。
外国人の獲得に渋った理由が支配下登録枠の問題であれば今季結局1軍で使わなかった・使う見込みが全然なかった今成等の選手を去年切っても良かったはずです。
一軍で使える外国人の枠を考えての未獲得であればそれは大きな失敗だったと思います。
ロサリオがもしソト並みにホームランを打ってたとしても、ケガで長期離脱してしまえば、結局後半戦2軍に幽閉した今季とさほど変わらない状況だったと思います。
明らかに長打を計算できる駒が少ないのに開幕前から助っ人外国人野手を1人しか獲得しなかったフロントに筆者は疑問を覚えます。今季途中加入したナバーロしかり、前シーズンのロジャースしかりもし1人目の外国人野手がハズレであったら途中で獲ればいいという考えなのでしょうが、ずいぶん悠長な方針だなと思います。
どこの球団も長打力の補強目的で必ず毎年助っ人野手を連れてきます。1軍には4人しか外国人選手を置けない関係で、メッセンジャー・ドリス・マテオそしてロサリオで計算していたのかもしれませんが、思わぬケガや劣化、通用しなかった時も想定して計算しなければいけないのがペナントレースです。
横浜DeNAですらロペスという計算できる頼もしい助っ人がおり、パットン・ウィーランド・エスコバーいるにも関わらずソトと契約しました。そしてウィーランドが昨季ほどの活躍ができなかった上に、ライトの梶谷の離脱もあってソトにチャンスが回ってきました。結果的に保険的な扱いであったソトがホームラン王になり、これがなければベイスターズは3位争いができなかったと思います。
活躍するしないのどちらにせよ、競争という意味でも1人でも多く外国人野手がいる方がチーム全体の刺激になると思います。
かつての阪神の野球を観ていてもマートンブラゼルゴメスという外国人野手に頼りきったチームでした。外国人野手への依存を下げて、国内野手の育成に賭けているということなのかもしれませんが、結果的に最下位に沈んでは元も子もないです。
まず筆者はこの点が1番疑問に思いました。
・指導経験の無いアニキを周りが支えられなかった
金本知憲氏が監督に就任する前から彼に指導歴がないことは周知の事実です。にも関わらず経営陣が監督を任せたのは、ある程度試行錯誤しながら監督の経験を積んでほしいということなのでしょう。もしくは和田監督時代に減った入場者数をアニキの人気で回復させたかったといったところでしょう。
なのでコーチには経験豊富な人材を置き、金本監督を助けられる人を置いてほしかったです。ですがコーチ陣はずっと若い人材ばかりでした。
フロントも前述の通り、外国人野手の獲得が少なかったり、または高卒野手をドラフトでリストアップしておかなかったりと考えが浅はかだと思います。
金本監督采配は非常に独特です。
悪い部分だけ見ると、申告スクイズ、戦力外の西岡の代打起用、退団濃厚のナバーロの起用など直近のものでとにかく沢山存在します。あくまで負けた試合での結果論なのかもしれませんが、解説者のみならず素人目でも疑問を抱く采配は多かったと思います。
他にも、決勝打を放った好調選手を翌日のスタメン落ちさせたり、執拗なバント作戦など、粗探ししているわけではないですが、あまりに選手を信用していないと言いますか、何か感情的な采配が多かったと思います。
それでも昨年は2位なので今年も采配の全部が全部悪いわけではなかったと思います。今季も若手選手を積極的に起用する点など以前の監督と比べて評価できる点もたくさんありました。采配以前に二遊間の怪我人が続出したことも最下位の要因だと思っているので、負ける要因は必ず複数存在します。
ただやっぱり、選手への信頼がないととれる発言や起用はマズかったと思います。選手が思い通りに動かないという監督ならではの歯がゆさがあったと思いますが、そこはもう少し冷静でいてほしかったです。当然ミスが多い選手もいけませんが。。
金本監督自身も悪い部分がありましたが、もう少し周りが何とかできなかったかなと思える部分は大きいです。
また、10勝できるポテンシャルのある榎田をトレードに出して比較的似ているタイプの役割を務める岡本の獲得は確執があった以外の何物でもないと思います。こういった部分もチームスポーツでは致命的なので何とかしてほしかったです。
・既得権益による球団運営の傲慢さ
勝てなくても客が球場に来るというのは運営にとってある意味一番ありがたい形ですよね。企業努力しなくても、勝敗関係なくとも客が来るならば、わざわざ死ぬ気で勝ちにいかなくても良いんだということが運営の気持ちとして生まれている可能性があります。
これでは一生優勝はできませんし、長いスパンで見てファンは減っていくと思います。一人のファンとして常に全力で球団を運営していただきたいです。
DeNAは万年最下位の弱さを脱却しようと試行錯誤を繰り返しました。2010年前後から野球を観ている人にとってはその劇的な変化に誰もが感心すると思います。
もちろんFAで優秀な選手を獲得したりと阪神も頑張っている部分もありましたが、横浜や広島の改革などをここ数年で客観的に見てきた身にとっては阪神の球団運営には傲慢さがあるのかなと思います。
この記事を書いているときに揚塩健治球団社長及び片岡篤史ヘッド兼打撃コーチも辞任しました。
当初金本監督には成績が悪くても長期政権を任せたいといった趣旨の監督委任でしたが、 最下位に沈んだことでよっぽど不満・クレームが球団に相次いだのでしょう。ホーム甲子園で全然勝てなかったこともあり、今季は球団の想像以上に顧客満足度が下がったと考えられます。
5位ならともかく流石に最下位は誰かが責任を取らないと仕方ないと思います。あくまで筆者の考えですが、もし最下位で続投なら結局チームが勝っても勝たなくても安定して監督業をやれるという公務員みたいな感じになってしまうからです。
ただし今季は前述の通り怪我人も多かったですし、雨での試合延期が多く例年以上に計算を狂わされる出来事が多かったかと思います。一応9月くらいまではCS争いができていましたので人によっては多目に見てもいい部分はあると思います。
阪神ファンということを抜きに一歩下がって考えてみると、運営はこの3年でアニキに何をしたかったのかなと思える部分もあります。真弓・和田政権時にいた強力なバッターは次々とチームを去ってしまいました。金本監督には育成を頑張ってほしくて多目に見るという条件で監督を委託したのであれば、金本監督はそのお願いを全うしたのではないでしょうか。金本監督は実績のない選手を一軍で起用し続けました。今季も大山が序盤打てないときに我慢して起用し続けた姿勢を筆者はずっと評価してきましたし、案の定シーズン終盤に打撃が爆発して覚醒と言われたときはとても嬉しかったです。真弓・和田監督との最大の違いであり、北條・中谷・糸原・大山達が更なる活躍を遂げればきっとみんなアニキに感謝することでしょう。
筆者は育成はすぐに結果が出るものだとは思いません。なのに3年で1度最下位があったくらいでやっぱりアカン・ダメとなるのは方針がブレブレだなと思います。確かに筆者も金本監督でなければマシになるのかなと思ったことも一度や二度ではないです。ですが球団が金本監督に育成を押し付けたのであれば、もっと心中する覚悟でいてほしかったです。こういうブレブレの部分も「傲慢さ」だと思います。
・昨年よかった中継ぎ陣の崩壊、大和の穴
マテオや髙橋聡文、岩崎が昨季ほどの活躍ができず、中継ぎ陣の大多数が一気に不調・ケガになってしまったのも低迷の大きな原因です。ノウミサンと球児が中継ぎで良かったのは救いでしたが、抑えのドリスが7敗してしまったのも誤算です。
そして筆者が何より残念に思ったのが、大和が出ていった穴が浮き彫りになったことです。
大和流出は投手陣の悪化に影響していると思います。上本北條が離脱して代わりに出てくるのがまだまだ発展途上の植田と戦力外上がりの森越で層の薄さが露呈しました。
よく大和は打撃が悪いと冷遇されていました。現在の「打てない・守れない・走れない」選手が阪神に多い中でなぜ大和だけがあんなに打撃力が文句付けられていたのかが筆者にはよくわかりません。大和の鉄壁の守備なら8番でも9番でも投手は納得すると思いました。大和を冷遇してきたタタリが今年降りかかったのかなとも思います。
・高卒野手をドラフトで指名してこなかったツケ
セリーグを代表する強打者は高卒が多いです。筒香・丸・鈴木誠也・山田哲人、そして頭角を現した岡本和真など30本以上HRを期待できるバッターは高卒ばかりです。
阪神の場合は高卒野手が伸び悩んでいるのではなく、そもそも高卒野手を指名していません。
過去5年のドラフトでの高卒野手は植田と横田の2人のみです。その横田も不運なことに難病を患ってしまい復活には時間が掛かりそうです。植田はスラッガータイプでないのでじっくりかけて盗塁を重ねる選手に育てたいのでしょう。
確かに大卒や社会人の野手は、1年目から試合に出せるほどの土台がありますし魅力的です。ですがプロとアマチュアの壁はそう簡単に越えられるものではないです。今の阪神には中途半端な大卒野手が多いです。清宮・安田のクジ外したのは残念ですがだからといって他のスラッガータイプの高卒素材を1人も指名しないのはおかしいです。長打が出ないという明らかな穴を埋めようとしていない姿勢が残念です。明らかにドラフトのバランスが悪いです。
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ここからは良かった点を挙げていきます。
・若手の台頭は大きい期待
北條・(昨年の)中谷・大山・糸原・梅野の若手野手は確実に育っています。金本監督が我慢強く起用した成果はもう少しで出るとおもっています。
才木も高卒2年目で6勝は上出来です。伸びしろは十分にありますしエース級に育つ可能性もあります。
そして筆者が1番驚いたのは小野です。1年目は全然勝てずなぜこんな投手を登板させるのか疑問でしたが、2年目は7勝と急成長しました。防御率が悪く勝ち星ほど印象が良くないとは思いますが、投球回126.1はチーム3位です。残念ながら規定到達がメッセンジャーしかいないという中で、小野の稼いだイニングには大きな価値があります。この1年で大きく成長した選手であり、プロの見る目は違うなと実感しました。
・若手に平等にチャンスを与えた
真弓・和田監督の時はあまりにも若手野手の起用が少なかったです。そもそもの若手野手の出場機会が少なかったです。金本監督はとにかくたくさんの若手選手を1軍の試合で起用しましたしその姿勢はとても評価できます。(ただし和田監督の時の方がより1年が勝負と強く言われていました。金本監督は長い目で見ろと評価されてたのと対照的な部分はあります。)
今季は梅野・糸原が規定打席に到達しました。
来季以降金本監督がいないダイヤモンドの中で、選手たちはきっと我慢強く使ってくれた金本監督に感謝するでしょう。
・2017年の2位は中々褒められる成績
今年ではないですが、昨年の2位はかなり価値があると筆者は思います。
なんJ PRIDE : 広島・緒方監督 通算304勝211敗 貯金93 勝率.591(歴代3位)
実は広島の緒方監督は通算500試合以上指揮を執った監督で歴代3位の勝率を誇る監督です。そういった傑出した存在が同一リーグにいながら2位を修めた昨季は中々頑張ったのではと思います。もちろん優勝してほしいですが、歴代の阪神でも優勝した回数は数回なので、やはり2位は良い成績だと思います
セリーグのレベルが全体的に低下していることもありますが、広島全盛期の今1位になることは難しいです。そういった中で1位に次ぐ昨シーズンの2位は一定の評価ができると思いますし、金本監督の手腕が悪すぎるわけではないと感じます。
・守備範囲が狭い選手が多い中、防御率はリーグ2位
エラーはリーグ最多で追いつかない打球も多く守備は悪いですが、チーム防御率は巨人に次いでリーグ2位です。
・出塁率は3位、だが犠打が多い
出塁率・四球数が圧倒的な攻撃力を持つ広島・ヤクルトに次ぐ3位は中々評価できるんじゃないかなと思います。四球をしっかり選ぶ作戦は通用しています。
出塁率とはすなわち打者がアウトにならない確率ですので、長打の少ない阪神にとって打率以上に重要な指標だと考えます。ただし金本監督はとにかく犠打を多用していました。進塁は大切ですが1アウトをすぐ献上するという行為は、もっとしっかり状況を考えて行ってほしかったです。
バントを多用するから出塁率が落ちないという考え方もできますが、四球をしっかり選ぶというのは長打の無い阪神にとって金本監督が目指したかった形が実っているのではないでしょうか。
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言いたかったことはこんな感じです。
気が付けばここまで6000字を超えました。
書きたいことが次々出てきてまとめるのが大変でしたが、それくらい阪神について色々思うことが自分の中であったということです。
2016年は見てて本当に楽しかったです。
2017年も2位で嬉しかったです。
2018年はダメでつまらなかったですが、それでも来期以降の「虎の希望」は確かに育ってきているように感じました。
金本監督は良いところも悪いところもありました。良いところもあれば悪いこともあるのは金本監督に限ったことではなく何に対してでも言えることだと思います。良かった部分がしっかり再評価されるように来年以降阪神の活躍を期待するのみです。
また報道では金本監督の名前ばかり取り上げられていますが、コーチやフロントも大きな責任があると思います。今回は球団社長まで辞任ということで球団全体で相当大きく問題視されていることと思います。色々改善されることを願いますし、良かった部分は引き継がれていってほしいです。
このブログでプロ野球について本気で書いたのは初でしたが、こういう記事を後で自分で見返したときに色々な感情が出てくると思うので書いてみました。
来年はいいシーズンになってほしいです。
お読みいただきありがとうございました。