アニメ新版から入り、いまだに新刊を買い続けている数少なき漫画『HUNTER×HUNTER』。大好きです。
グリードアイランド編が1番好きですが、1番好きなエピソードは38巻 第397話「結成③」です。
作中序盤から極悪集団として描かれていた幻影旅団を、一転して悲劇の復讐者に仕立て上げた渾身の1話です。
*予想や不確定情報も含みます。
筆者はハッキリ言って、近年どの漫画でもよくある【悪役が実は良い人】という展開が大嫌いです。
これは鬼滅の刃を読んだ時に特にそう思いました。とどめ刺した瞬間に善人時代の過去編始まるのってなんか変じゃないですか()
敵は敵のままでいいです。もちろん悪役なりの正義があるというのはそれでいいんですが、実は良い人だったという展開はNGです。
にもかかわらずこの1話は本当に出来が良く、憎かった悪役幻影旅団を一気に好きにさせます。
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今極悪な旅団メンバーも子供だった時は【純粋だった】【可愛げがあった】【不本意にも闇に染まった】ということを上手く表現しています。
マチの「痛かったよね」「怖かったよね」「ごめんね」には涙を禁じえません。旅団の中でも過去編以前にとりわけ良い子ぶって見えたマチは本当に優しい子だったんです。
遺体にこのままじゃ可哀想と言ったマチが、ヒソカの遺体(だったものを)を治そうとしたのは紛れもない彼女の愛情でした。
ヨークシン編でネコに微笑んだパクノダもそうです。皆根は思いやりのある優しい子供だったんです。悪役を演じるというのは言葉の通りです。
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特に気になる点として、サラサを殺した犯人のメッセージをクロロがウボーに何書いてあったか教えないシーンが繰り返しあります。ここ非常に重要です。
これ筆者は旅団によるクルタ族の虐殺はシーラが殺されたことに対する復讐(*未確定情報)だと予想しているんですが、シーラが殺されたということをクロロは団員に伏せていますね。
だからウボーは死に際に、クルタ族虐殺を「大仕事」「団長がいたく気に入っていた」という発言したんですよね。実は復讐なんで。
もし大切な仲間のシーラの仇と知っていたらこんなに思い出すのが遅れるわけないので、ウボーの発言の整合性がとれます。
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また人攫いが相次いでいるのにサラサを一人で帰したことの後悔を、クロロが自分1人の責任だと皆の前で言い張るリーダーシップを見せます。
そしてサラサの殺人犯からのメッセージを、自分1人で受け止める器量。
これだけの情報を読者に見せていれば、クロロが1人で悲しみを抱え込む性格だと読めます。
もちろんシーラが殺されていない可能性や違う理由からクルタ族の存在がバレた説もありますが、0巻にシーラが登場するのも38巻でシーラが1人復讐に否定的な態度をとって善人に見えるのも確実に意味があると思います。
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話後半の復讐を誓う展開やインターネットの説明は、尺のせいか流石に駆け足です。
ただそこで蜘蛛というのもネットの意味が掛かっていることが判明しますし、非常に重要な1話ということが改めてわかります。
旅団はあくまで自らの仲間と流星街の脅威に対して敵意が強いのであって、マフィアやキメラアントと対峙するのはそれなりに意味がありました。
……といっても無実の人も殺めるので、正義の人では全然ないんですが。(サラサにされたことと同じことを赤の他人にしています。故にヨークシンでのゴンからの正論は1番触れられたくない言葉だったんです。)
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この1話とクラピカの共通の教訓として【外の世界は危ない】【復讐はなにも生まない】という部分があります。
元凶はサラサが1人で行動してしまったことにあります。カタヅケンジャーのビデオテープが捨てられてたのも人攫いからの罠なのかもしれません。
クラピカも里の掟を破って外に出た途端一族が滅亡しました。苦しみの旅になりました。ひょっとしたら外に出たのが一族滅亡のトリガーだったのかもしれません。まぁクラピカが里にいても殺されてた可能性もありますが、復讐という業を背負わない分死んだ方が楽だったのかもしれません。
シーラもクルタ族と関わって破滅を導いたように見えます。クラピカを外の世界へ導いたシーラがクルタ族滅亡のきっかけを作ったのであれば本当に救えない展開です。
結局旅団はこの人攫いグループのボス?・リスノースを殺害している(ことが示唆されている)ので復讐自体は成功しています。しかし旅団はそこからも悪行の限りを尽くしていますし大切な旅団メンバーもどんどん死んでいます。クラピカも旅団を倒したり緋の目を回収できても結局何も生まないんですよね……
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また改めて考えるとクラピカとクロロ(旅団)は復讐という境遇が共通していますが、仲間によく慕われているクロロの方がまだ幸せ者なんですよね。
実質的な作中第2の主人公であるクラピカの方が、悲劇が理由にしても心に余裕がなくせっかちで性格が悪く見えます。
ゴンキルアレオリオやセンリツ等の仲間は大事にしながらも、ノストラード家は破滅しましたし何かと悪運の持ち主にも見えます。
色んな部分がクラピカとクロロで対になっているようでも、意外と似ている部分も多いなと感じました。
クラピカが旅団及びシーラの真実を知ったらどんな顔をするのか、そのシーン見るまで筆者は死ねません。
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また余談ですが念のエンバーミングでサラサの遺体を修復したレンコは、キルアの母キキョウの身内だと予想します。
レンコ=レンコンとキキョウは東洋医学で呼吸器の治療に用いられるらしく、レンコの能力とマッチしています。
またレンコは口を隠し、キキョウは目を隠すところが似ています。さらに帽子も似ています。
さらにさらにレンコは恐らくマチの師匠(恩師)で、キキョウはキルアの母で、マチとキルアどことなく似ているのも意図的であったなら脱帽拍手喝采です。
究極の後出しにして、最強の1話だったと思います。おもろい話が多い漫画ですが、この1話の完成度は飛びぬけています。
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